週休2日制が定着しているカナダでは、1日8時間、週40時間と定められています。この時間を超えて働いた場合が超過勤務となり、この分については割り増しの賃金が雇用主によって支払われなければなりません。
2. 1日当たりの賃金
一旦出勤すれば、実際の労働時間がゼロであっても最低2時間分の賃金が支給されます。
また、もし8時間以上の勤務が予定されていた場合は、最低4時間分が支払われます。ただし、暴風雨などやむを得ない理由で仕事が中止される場合は、この限りではなく最低2時間分の支払となります。
被雇用者の体調等の理由で早退する場合は、実際に勤務した時間に対し賃金が支払われます。
3. 超過勤務手当
1日の勤務時間が8時間を超えた場合、超えた分に対し、通常の時給額の1.5倍が超過勤務手当として支払われます。さらに、12時間を超えた場合は、その分に対し、時給額の2倍が支払われます。一週間における超過勤務については通常の1.5倍の時給額が支払われます。この計算のためには、日曜日から土曜日までを一週間と考えます。
具体例を挙げると、午前9時から午後5時までが勤務時間のAさんが、ある日、午後6時まで残業したとすると、昼食時間の1時間を除いて、労働時間は8時間となります。基準労働時間は8時間ですので、この場合は,超過勤務にはならず、通常の時給が1時間分余分に支払われます。午後8時まで残業したとすれば、2時間分が超過となり、合計では通常時給分1時間 + 超過分2時間 × 1.5 = 4 時間分の賃金が余分に支払われることになります。午後11時までの残業なら超過は5時間ですから、1時間分は通常賃金の2倍が支払われることになり、合計では1 +4 × 1.5 +1 × 2 = 9 時間分の賃金が支払われます。
また、Aさんがある週、土曜日も出勤し、9時から5時まで働いたとすると、その週は7 × 6 =42 時間働いたことになるので、週の基準40時間を超えた2時間分については1.5倍の賃金が支払われ、結局、その週については、7 +2 × 1.5 =10 時間分の賃金が余分に支払われることになります。なお、この週の超過勤務時間を計算する場合には、毎日の超過勤務時間は勘定されません。すなわち、上の例で、Aさんが仮に、前日の金曜日に9時間勤務していたとすれば、その日の超過分1時間は、週の超過勤務時間の中に入りません。ですから、週の合計は、金曜日が8時間なので、43時間となり、3時間に対して1.5倍が支払われます。
4. 時給の計算
超過勤務は、時間単位で支払われますので、時給が設定されている必要があります。本来、雇用時及び昇給時に決められてあるべきものですが、月収からの原則的な計算方法は:月収 × 12 ÷ 52 ÷ (週当たりの勤務時間)で割り出します。
5. タイムバンク (超過勤務時間の積立)
雇用者からの書面による要求があった場合に雇用主は、その都度超過勤務に対する賃金を支払わず、その人のタイムバンクに時間として貯めておくことができます。被雇用者は、いつでも自分のタイムバンクの中の時間を賃金として受け取ることもできますし、また雇用主の合意を得て、有給の休みとして消化することもできます。
6. 勤務からの解放の保証
労働者は、1週間につき少なくても連続して32時間は勤務から離れることになっています。これは、最低でも1日の休日を保証するためです。仮にこの時間内に働く場合は、通常時給の1.5倍の額が支払われなければなりません。また、緊急の際に労働者が承諾した場合を除き、勤務と勤務の間が8時間なければなりません。
7. 食事時間と休息時間
食事やお茶など休息の時間に対して賃金を支給するかどうかは、雇用者の判断となります。ただ、5時間以上連続して勤務する場合は、30分の無給の食事時間が与えられなければなりません。この時間内に働いたり、仕事のために拘束された場合は賃金が支払われます。
8. BC州の祝日
法律で定められた祝日は次の9日です。
New Year's Day, Good Friday, Victoria Day, Canada Day, Btitish Columbia Day, Labour Day, Thanksgiving Day, Remembrance Day, Christmas Day
9. 祝日に対する賃金
祝日手当を受け取るためには、30日以上勤務しており、かつ、その祝日の前の30日間のうち15日以上勤務していなければなりません。この条件を満たしていれば、平均日給が支払われます。平均日給とは、祝日前の30日間に受け取った収入を勤務日数で割った額です。その30日の間に年次休暇を取っていた場合は、休暇日数は勤務日数の中に加えられ、その休暇に対し受け取った休暇手当も収入の中に加えます。ただし、超過勤務手当は収入の中に入りません。祝日が休日と重なったときも、条件を満たしている人には平均日給が支払われます。翌日を休日にすることは、労働基準法で定められていません。また、被雇用者の同意があれば、祝日を別の日に振り替えることも認められています。
10. 祝日出勤の際の賃金
有給で休む資格のある人が、祝日に出勤した場合は、12時間までが通常の1.5倍、12時間を超えた分には2倍の賃金が支払われ、さらに、平均日給が支払われます。資格のない人の場合は、通常の勤務と同様の扱いになります。
就労者が下記の無給休暇から職務に戻った場合、雇用主は休暇以前と全て同じ条件の下で雇わなければなりません。ただ、雇用主から書面での解雇通知や雇用条件変更通知があった場合、また就労者が労働条件の継続を望まない場合はその限りではありません。
1. プレグナンシー・リーブ (産休)
妊娠している労働者は、17週間までの連続した産休が認められています。この期間は、出産予定日の11週前以降に始まり、終了は出産日の6週間後以降でなくてはなりません。ただし、労働者が希望すれば、期間が短くても構いません。産休を出産後に取ることも可能ですが、その場合は出産後6週間しか認められません。ただし、出産に関係する理由で産休期間内に職場復帰できない場合は、最高6週間延長することも可能です。これは17週間の産休の場合でも同じです。産休の申請は、産休開始の最低4週間前に書面で行う必要があります。産休あるいは産休の延長に関し雇用者から医師の証明書の提出を求められることもあります。もし、母親が産休を取らなかった場合は、連続37週間の育児休業が認められています。これは子供が生まれた日から52週間以内に取る必要があります。
2. 育児休暇
子供を産んだ母親には産休に引き続く形で、連続35週間の育児休暇が認められています。申込は書面で、育児休暇の始まる4週間前に行います。
また、産まれた子供の父親にも開始が出産日から1年以内で連続37週間の育児休暇が認められています。育児休暇は養子の場合にも適用され、母親、父親のそれぞれに連続37週間認められます。開始日はやはり、養子を迎えてから1年以内です。育児休暇の期間はいずれの場合も、必要に応じて5週間まで延長ができます。
3. 家族としての責務のための休暇
近親者*の世話や、健康、教育に関する事柄のために、年間最高5日間の休みが認められています。
4. 重病人看護のための休暇
近親者*の中にに重病人がいる場合はその人の看護のために、26週間の内最高8週間の休暇が認められています。この場合、26週間以内に死期が訪れる可能性が高いことを示す医師の診断書が必要です。
5. 忌引のための休暇
近親者*に不幸があった場合は年間最高3日間の休みが認められています。
近親者*とは、配偶者、子供、親、保護者、兄弟姉妹、孫、祖父母、及び、その他の同居している家族あるいは家族扱いされている人のことを指します。
6. 陪審員の義務としての休暇
陪審員に選ばれた場合は、裁判への出席のための無給休暇が認められています。
1. 年次休暇について
連続して12ヶ月勤務した人は2週間、5年以上勤務した人は3週間の休暇が取得できます。勤務して1年に満たない場合は、この資格はありません。
また、休暇は、資格発生後1年以内に本人の希望がないかぎり、1週間以上の単位で認められなければなりません。休暇の時期に関しては、雇用者が指定することができます。年次休暇の翌年繰り越しについては、法律上の規定はありませんが、合意に基づいて行われるのであれば問題はありません。
2. バケーション・ペイ(休暇手当)
1年以上勤務した人には、毎年前年度の総収入の最低4パーセントが支払われます。5年以上勤務した人は、前年度の総収入の最低6パーセントが支払われます。この手当は、休暇が始まる7日前までに支払われることになっています。
なお、4パーセント、6パーセントの金額は、それぞれ2週間、3週間分の賃金とほぼ同額ですので、現実には、休暇手当を支給せず、休暇をとった月も通常通りの給料を支払うことで、休暇手当を支払ったことにする場合が多いようです。
なお、勤務期間が5日未満の人は、休暇手当を受け取る資格がありません。
1. 予告
雇用者には、基本的に解雇権が認められていますが、正当な理由がないかぎり解雇の際には書面による予告をするか解雇手当を支払うことになっています。
予告する時期は、勤務期間が3ヶ月以上1年未満の場合は1週間前、1年以上3年未満の場合は2週間前、3年以上は1年増えるごとに1週間ずつ加算され、最高で8週間前に予告することになっています。
2. 解雇手当
書面による予告がない場合は、勤務した期間が連続3ヶ月以上の場合は1週間、1年以上3年未満の場合は2週間、3年以上の場合は、1年増えるごとに1週間分を加算し、最高8週間分の賃金に相当する解雇手当が支払われなければなりません。この場合の賃金の計算は、過去8週間の通常勤務(超勤等を除く)に対する賃金の平均を基準にします。解雇の場合は、賃金、手当のすべてが48時間以内に支払われなければなりません。辞職や退職の場合は、6日以内と定められています。
3. レイ・オフ(一時的な解雇)
一時的な解雇の場合、予告や解雇手当を支払う義務は、雇用者にはありません。しかし、20週の間にレイ・オフの期間が13週を超えた場合は、予告なしの解雇とみなされ、レイ・オフの最初の時点からの解雇手当が支払われなければなりません。。
以上、要点のみ記載しましたが、詳しい内容は、1-800-663-3316 にお問い合わせ下さい。 www.labour.gov.bc.ca/esb で調べることも可能です。