税金

海外で暮す場合、その国の税制度を理解することは、非常に大切なことです。特別な控除のことを知らず、うっかり払い過ぎていたりすることもよくあります。ここでは、BC州の税金の概要をまとめてみました。無駄な支払いを避けるための参考にして下さい。

・物品税 ・所得税
・固定資産税 ・相続税/贈与税

物品税

GST (Goods and Services Tax, 物品・サービス税)
  GSTは、日本の消費税と良く似ており、カナダ国内で購入・消費されるものにつき、6%の税率で課されます。事業を行なっている法人・個人は、GSTの登録をし、商品・サービスの売り上げに6%加えて徴収します。徴収したGSTは、事業に必要な経費に含まれていたGSTと相殺し、差額を納付もしくは還付請求します。最終消費者は還付を受ける事はできません。
 商品・サービスの価格表示には、GSTを含む場合と、含まない場合があり、GST込み (Including GST)と表示されていなければ、支払い時に価格プラスGST(商品ですと、PSTもプラス)で計算されます。GSTの対象とならない商品・サービスは以下の通りです。


  1)輸出
  2)基礎食料品
  アルコール飲料、菓子、スナック、6ヶ以下の菓子パンなどを除く。
  3)国際線(北米外)航空運賃
  4)処方箋を必要とする医療品、医療器具
  5)住宅の家賃
  6)新築以外の家屋
  7)ヘスル・ケア及び教育(例外あり)
  8)金利、保険など金融サービス(例外あり)
 

旅行者の場合、カナダで購入した商品及びホテル代に対して、支払ったGSTの還付を受けられます。還付請求するためには、最低計$12.00のGSTを支払っており、個別の領収書につき、少なくとも一件$3.00のGSTが必要です。所定の申請用紙に必要項目を書き込み、領収書の原本を添付の上、一年以内に送付して下さい。レストランの食事といった、カナダ滞在中に消費した商品・サービスについては還付されません。

PST
  BC州で商品を購入すると、7%のPST(州売上税)を支払わなければなりません。PSTの対象は物品ですが、車・機械などの修理、弁護士費用などはサービスでも課税対象となっています。自動車に対しては価格により、税率が10%まで上がります。レストランの食事はPSTの対象ではないのですが、アルコール飲料は課税されますし、駐車料金にもPSTが含まれます。また、本来購入すればPSTの対象になる商品(例えば自動車)をリースしても、リース料金にPSTが課されます。


<免除されるもの>


  ・15才以下の子供服、靴
  ・学校で使用する文房具など学用品
  ・医療品および一部の衛生用品
  ・食料品および菓子
  ・教育、技術、文化、文学の本(広告が掲載されている場合を除く)
  ・雑誌、新聞
  ・輸出


PSTの免除項目は、非常に細かく規定されているため複雑です。PSTを徴収されて納得出来ない場合は、PSTの事務所(604-660-4524)まで、電話にてご確認下さい。

所得税

課税対象者 

人の所得税は、カナダの居住者であるかどうかで、課税対象が違います。居住者は、全世界の収入に課税され、非居住者は、カナダでの収入のみが、課税対象となります。居住地についての定義は、所得税法で定められていません。過去の判決例や国税局の調査・質問から考慮すると、カナダにおける住居の有無、家族の住居、家具などの個人資産がどこにあるか、国外の住居の有無、といった事実関係から判定します。
 ただし、たとえ非居住者であっても、年間183日以上カナダに滞在すると、通年居住者であったと見なされます。駐在員として、あるいは移民権を取得してカナダに入国する時は、入国時からカナダの居住者として扱われるので、それ以降の全世界収入がカナダの課税対象となります。同じく、カナダ国外に引越す際は、出国まで居住者扱いで、それ以降の収入はカナダで申告する必要はありません。


課税対象となる所得


上記のように居住者の場合は、たとえ収入が国外、例えば日本で発生しても合算して申告します。ですから、日本から家賃収入、年金を受け取っている方は、その所得を申告する義務があります。ただし、日本で源泉税を徴収されている場合、その源泉税は外国税額控除として認められ、二重課税とはなりません。
 一般に、以下の収入の所得が課税対象となります。


  給与・事業所得・年金・利息収入
 コミッション・パートナーシップ
 からの利益・賃貸利益・雇用保険金


上記は全て合算されますが、資産売却益(キャピタル・ゲイン)及び、配当収入については別途課税され、比較的低率の課税となります。

自宅の売却益は、課税対象となりません。自宅は、1家庭に1軒のみ認められるため、2軒以上所有していれば、そのうち1件を自宅と指定します。個人が自宅の売買をするに当たって、回数の限度はありませんが、あまり頻繁に引っ越すと、家の売買をビジネスとしているとみなされるかもしれません。もちろん、自宅なので、必ず実際に引越し、住まなければなりません。また、自宅のローンにかかわる支払利息は税務上控除されません。

確定申告

1. 時期
  一般的に翌年4月末が申告期日ですが、自営業者のみ6月15日が期日です。申告の発送については、その日の消印が有効ですが、未払金については、4月末日までに税務当局必着です。この支払い期日は自営業者も同じです。延滞のペナルティは未払金額に基づいていますが、申告書そのものが期日に送られていないと、より高額なペナルティが課されるので、例え全額支払えなくとも、申告書のみは提出すべきです。


2. 方法
  個人の確定申告書は、比較的簡単ですので、投資など複雑な内容がなければ個人でもできます。所得税計算など、面倒であればショッピングモールなどにある業者にも依頼できます。ただし、申告後の処理、アドバイスなどを期待するならば、資格のある専門家と相談するべきです。申告用紙は、郵便局・税務署で入手でき、一度申告すると翌年からは自動的に郵送されています。

3. 日本に帰国した場合
 申告用紙が入手できるのが、通常翌年になってからですから、日本に帰国する場合、書類を日本に転送してもらうか、もしくはカナダにいる方に依頼しなければなりません。給与・受取利息といった所得は、T4/T5という書類を基に申告しますので、勤務先や銀行にも連絡先を知らせておいて下さい。申告そのものは日本からでもできますし、カナダで作成し、サインのみ日本でして(ファクシミリでも可)提出するのも可能です。ただし、還付があっても、本人あてのカナダドル小切手で支払われますので、日本で換金するのに手数料がかなりかかるようです。所得税を還付される予定の方は、銀行口座を残しておくと良いでしょう。

控除対象
個人の場合、主に以下が控除の対象となります。

A) RRSP
  RRSP(Registered Retirement Savings Plan)とはカナダ政府公認の退職積立貯金のことで、これに投資した場合、投資額が課税収入から控除されるだけでなく、そこから生まれる利息・配当収入も、RRSPから引き出すまで課税対象になりません。


B) 寄付・医療費
  どちらも領収書が必要ですので、必ず書類を保管して下さい。寄付の場合は、収入の75%が上限ですが、医療費は逆に収入の3%(もしくは $1,844 [2005年] のどちらか低い方)を超えた部分のみ税控除の対象となります。

C)学費
  大学・専門学校などの学費が控除対象になり、学生の収入が低く、全額必要としない場合、剰余分を配偶者、両親、祖父母が使えます。フルタイムの学生ですと、学費以外に一定の教育控除も受けられます。

D) 子供のデイケア費用
  子供のデイケア費用は、仕事をするため、もしくはフルタイムで学校に通うために必要な場合のみ控除対象となります。夫婦のうち一人が学生でもなく働いていなければ、控除はできません。ベビーシッター、デイケア、寄宿学校、キャンプなどの費用が控除対象ですが、子供の年齢、両親の収入により控除額は違ってきます。一般的に両親のうち収入の低い方が、控除申請しなければなりません。

E) 支払利息
  個人が、投資のために借入をおこすと、その支払利息は損金となりますが、その場合、借入の目的が自宅の購入、その他個人使用にかかわる部分は、経費とはなりません。課税対象となる利益を生むために必要な経費のみ、損金となるわけです。借入の担保が個人の自宅であっても、借入金の使用目的が、ビジネスである限り、支払利息もビジネスに必要な経費と見なされます。

固定資産税

 住居所有者に毎年送られてくる不動産査定報告(Property Assessment Notice)をもとに、翌年の固定資産税は算出されます。税額は査定額の1%以下が一般的です。
 BC州には所有者控除金(Owner's Grant)制度があり、同州に住まいを保有し自らが居住している永住者と市民に限り、申請により控除が受けられます。査定額が78万ドル以下なら一律570ドル。更に、配偶者の一方が65才以上ならば、275ドルが加算。78万ドル以上の場合は、査定額が上記の額を1,000ドル増していくごとに5ドルの割合で控除額が削られていきます。つまり、仮に80万ドルだとすると基本控除額(570ドル)より100ドル減。尚、納税最少限度額は350ドル(65才以上は100ドル)と規定されています。
相続税・贈与税

 相続税そのものは存在しませんが、遺産がある場合、その検認料 (Probate Fee)を支払う必要が生じます。また、個人が死亡した場合には、その時点で資産を処分したとみなされますので、キャピタル・ゲイン(含み益)が生じている場合は、その分が死亡者の収入となり、他の収入と合算して課税されます。
 

贈与税も同じく存在しませんが、資産の名義を変更した場合、その時点で処分したとみなされ、キャピタル・ゲインが生じている場合は、やはりその分に対して税金がかかります。また、未成年の子供に資産(例えば現金)を与えても、そこから生じる利息収入は親の収入とみなされます。世代を超えての税務はカナダでも複雑ですので、なるべく専門家に相談して進めてください。
                     

(黒住由紀)

 
 
 

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