カナダの年金
カナダの年金制度は、政府が管轄するOld Age Security (OAS) Pension(老齢保障年金)とCanada Pention Plan (CPP)(カナダ年金制度)、および各個人が任意で積み立てるRRSPや企業年金の三層構造になっています。ここでは、OASとCPPについて、それらの概要を解説します。

 

1. OAS

保険料を財源とせず、一般税収のみで賄われる年金制度で、Guaranteed Income Supplement (GIS)(保障所得手当)とAllowance(配偶者手当)を付随制度として伴います。

[受給資格]
カナダに居住している場合、次の3つの条件を満たしていなければなりません。

1) 65歳以上である。
2) 年金受給が認められた日の前日の時点で、カナダ市民あるいは
  正規移住者である。
3) 18歳以後、10年以上*カナダに居住している。
 (*日加社会保障協定ページ参照)

カナダに居住していない場合は、次の3つの条件を満たしていなければなりません

1) 65歳以上である。
2) カナダを去った日の前日の時点で、
  カナダ市民あるいは正規移住者であった。
3) 18歳以後、20年以上*カナダに居住していた。
 (*日加社会保障協定ページ参照)

[申請手続き]

 65歳になる6〜12カ月前に手続きを開始します。(65歳の段階で居住条件に満たない場合は居住条件が満たされる6〜12カ月前に手続きします。)申請用紙 (ISP3000) は Service Canadaのウェブサイトwww.servicecanada.gc.caからダウンロードできます。


[支給額]
18歳以上になってからカナダに40年以上居住していれば満額が支給されます。金額は毎年1、4、7、10月にインフレ調整されます。2008年7月〜9月期の満額は月額$505.83です。ただし、年収$64,718以上の人は減額されます。年収$105,043以上になると支給額はゼロになります。40年に満たない場合は、1年につき満額の40分の1ずつ支給が減額されます。カナダで20年暮らした人が日本に帰国した場合は、満額の半分が支給されることになります。


[支給開始月]
65歳になった翌月もしくは居住条件を満たすようになった翌月のうち、どちらか遅い方。


[遡及払い]
 65歳を過ぎてから申請した場合、申請が受理された月とそれ以前の11カ月分については遡及して支給されます。


[支給日]
 毎月最後から3番目の銀行営業日。


[日本で受給する場合]

 日本円の小切手が郵送されます。

2. GIS

低所得のOAS受給者を補助するために設けられている制度です。


[受給資格]
次の3つの条件を満たしていなければなりません。

1) カナダに居住している。
2) OASペンションを受給している。
3) 年収が決められた額以下である。

 GISには1) の条件があるため、カナダを去ると最高6カ月間しか支給されません。

[支給額] (2008年7月〜9月期)
a. 配偶者がいない場合
・最高月額$638,.46 ・年収$24につき$1ずつ減額

b. 配偶者がOASペンションを受給している場合
・最高月額一人$421.62 ・合計年収$48につき$1ずつ減額

c. 配偶者がOASペンションを受給していない場合
・最高月額一人$638.46 ・合計年収$48につき$1ずつ減額
 (減額が開始するのは、合計年収がOAS満額 X12+$48を超えてから)

 OASペンションを満額受給していない場合は、満額との差額分だけGISが増額されます。なお、GISには所得税がかかりません。

3. Allowance

 配偶者の年金のみに頼って生活している人や、年金を受給していた配偶者に先立たれ、自らはまだ年金を受け取る資格のない人を補助するための制度です。

[受給資格]
 次の5つの条件を満たしていなければなりません。

1)配偶者がOASペンションとGISを受給している。
 あるいは、生前OASペンションを受給していた。
2)60〜64歳である。
3)18歳以後、10年以上カナダに居住している。
4)受給が認められた日の前日の時点で、カナダ市民あるいは正規移住者である。
5)年収が決められた額以下である。
 なお、本人が6カ月以上カナダを離れると支給は停止されます。

[支給額] (2008年7月〜9月期)
a. 配偶者がいる場合
・最高月額$927.45 (OAS満額+2. b.の最高月額)
・OASペンションに相当する分については、合計年収$48につき
  $3ずつ減額、その後、GISに相当する分について、
 合計年収$48につき$1ずつ減額

b. 配偶者がいない場合
・最高月額$1,028.06 (a. より高く設定)
・ OASペンションに相当する分については、年収$48につき
 $3ずつ減額 、その後、GISに相当する分については、
 年収$24につき$1ずつ減額

 なお、Allowanceにも所得税はかかりません。

4. CPP

 カナダの勤労者が、引退後も現役時代の約4分の1の収入を確保できるように設けられた年金制度で、資金はすべて、給与から天引きされる保険料で賄われます。
CPPには遺族手当や障害手当も含まれますが、ここでは退職年金のみを扱います。


[保険料] (2008年)

 給与の4.95%。雇用主も同額を負担します。自営業者は純収入の9.9%を納めます。ただし、年収から$3,500は控除されます。また、年収が$44,900を超えると、超えた分については保険料の対象となりません。

[離婚による均等分割]
 離婚した場合、結婚期間中に納めた二人の保険料は合算され、その2分の1を各自が納めたもとして計算されます。これは、コモンロー・パートナーが別れた場合にも適用されます。

[保険料納付可能期間]
 18歳になった時から、CPPの受給開始時あるいは70歳になった時までの期間をいい、年金額算定の基礎となります。1966年1月の時点で18歳以上であった人は、1966年1月を基点とします。

[免除期間]
 次の期間は保険料納付可能期間から免除されます。

1)7歳未満の子供の養育のため、収入が減少した期間
2)65歳以上で収入が減少した期間
3)CPPの障害手当を受給した期間
4)上記以外の、年収がゼロあるいは
  低かった年も、保険料納付可能期間の15%以内であれば免除されます。

[年金額]
 現役の給料の4分の1が目安ですが、保険料の納付額と納付期間、さらに、受給開始時により異なります。2008年の最高月額は$884.58です。2007年10月の平均額は$481.46です。

[受給開始時]
 通常は65歳になった時点ですが、60歳を過ぎてから、あるいは、65歳を過ぎてからでも開始できます。ただし、65歳未満で受給する場合は、ひと月早めるごとに0.5%年金が減額され、しかも、仕事をいったん辞めるか、給料を$884.58以下に減らす必要があります。65歳を過ぎてから受給する場合は、ひと月遅らせるごとに0.5%加算されます。

 CPPをいったん受給しはじめると、それ以降働くのは自由です。高収入でも、CPPが減額されるようなことはありません。保険料も天引きされません。

[夫婦間の共有]
 CPPは課税対象になりますので、節税のため、夫婦間で均等に共有することができます。共有の対象となるのは、結婚後それぞれが納めた保険料に対し支払われるCPPです。両者が60歳以上で、共にCPPを受給していることが前提です。CPPの共有は、コモンロー・パートナー同士にも適用されます 。

[申請]
 受給開始を希望する12〜6カ月前に申請します。

申請用紙はサービスカナダのサイトからダウンロードできます。
http://www1.servicecanada.gc.ca/eforms/forms/sc-isp1000(2009-01-016)e.pdf

また、http://www.hrsdc.gc.ca/en/isp/common/rtrinfo.shtml からオンラインで申請することもできます。

 申請が遅れた場合、遡及して支払われるのは、12カ月が限度です。

[支給日]
 毎月最後から3番目の銀行営業日。

[国外での受給]
 CPPは、一度でも保険料を納付すれば、国の内外を問わず受給することができます。

(Electro-Media Pacific)

 

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