モーゲージローン(通常モーゲージと略される)を理解するにあたり、日本で聞き慣れた住宅ローンとの違いについて把握する必要があります。一般的な住宅ローンとモーゲージローンの相違点として2つの点を挙げることができます。
第一に、資金の流通形態です。銀行で扱われる住宅ローンは貯金を集めたものを資金として利用者に賃付しますが、モーゲージローンの場合は賃付債権を証券化し、それを投資家に売却することによって資金を得るシステムになっています。
その結果、モーゲージローンの場合、従来の住宅ローンのような金利変動などによるリスクは投資家が負ってくれる形となり、30年以上の長期固定金利ローンも可能となります。従来の住宅ローンと比較した場合、金利変動によるリスクがローン利用者に直接的に影響しないばかりか、より良い条件のモーゲージローンを選択することが可能となります。
もう一点の違いは、 住宅そのものの担保価値がモーゲージローンの融資基準となることです。ローン債権を買う投資家は、市場の住宅担保価値に基づいた価格でローン債権を買い取っていますが、価格基準や住宅の定義が極端に変化すると、ローン債権が暴落し、アメリカで起こったサブプライム問題のような事態が生じるわけです。
モーゲージ業界は、チャーター銀行、信用金庫、モーゲージ株式会社、民間モーゲージ会社から成り立っており、その数は80社以上にも及びます。
カナダとアメリカのモーゲージ業界の最大の相違点は、アメリカのモーゲージのサブプライムが全体の25%を占めるなか、カナダのサブプライムの割合はわずか5%であることです。それに加え、カナダにおいては債務不履行率がアメリカの25%と比較して3%と非常に低いため、カナダのモーゲージ業界は市場参入会社にとっては十分な利益を得られる環境にあるといっても過言ではありません。
また、カナダ政府がCMHC (Canada Mortgage Housing Corporation) 機関を通じ債務不履行保険を発行し、融資を受けやすい環境づくりに貢献しています。しかし、昨今のサブプライム問題で、融資条件の見直し、サブプライム向けの融資縮小が行われているのは事実です。今後、不動産を担保に融資を行う場合、査定価格等を十分に考慮の上、無理のない融資を受けることをお勧めします。
カナダでは、支払い責務をもつ個人のレコードが Credit Bureau に常に報告されます。モーゲージの申請の際、各個人のクレジットレコードを基に審査が行われるのが通常です。
自分の名義でクレジットカードを所持していない場合はクレジットレコードが存在せず、融資条件下で不利になる場合があります。
クレジットスコアーは支払い責務を持つ個人の下記の要因を審査基準としています。
■個人負債責任の支払い状況 35%
■クレジットカードバランス 30%
■新規照会回数 10%
■使用可能なクレジット 10%
■クレジット、LOCの使用期間 15%
不動産の購入あるいはモーゲージの切り替えの直前に、カーローンや、新規の Line of Creditを開くと融資額に大きな影響が出るので、注意が必要です。
また、日本人の中には、クレジットカードの名義が配偶者のもので、自分名義のカードがない方もおられますが、クレジットレコードの構築が支払い能力の証明方法となるので、自分名義のカードはぜひとも必要です。それと同時に、長期支払い滞納となっている債務は支払いを済ませるのがベストです。
不動産購入の際、取引銀行に融資の相談をするのが通常の流れです。しかし、取引先の銀行がベストな金利を提示するとは限りません。なぜなら、各支店には、それぞれ達成しなければならない目標が課せられている上、さまざまな運営費用が生ずるからです。
また、個人が銀行に融資の問い合わせをすると、そのたびにクレジット照会が行われます。その照会回数が多いと、クレジットレコードの点数に10%まで影響してくる場合があります。モーゲージスペシャリストを利用すると、一回の照会で多数の金融機関への申請が可能となり、各社のベストディスカウントレイトが受けられます(on Approved Credit)。
《例》モーゲージ額:$250,000、固定金利:5.79%、返済期間:30年、月々の返済額$1,454.39
■ 返済の頻度を増すことにより、返済期間が短縮可能となります。
月の返済額の
約半分にあたる$729.19を2週間ごとに支払う Bi-weeklyに変えるだけで、
1カ月分の返済金額が直接元金への支払いに当てられるため、返済期間が
5年6カ月短縮されます。
■ 決まったモーゲージの返済以外に、所得申告で戻ってきた租税還付金を
支払いに回すことにより、金利の支払い額を大幅に節減することができ
ます。毎年$2,000を支払うことにより、返済期間が22年10カ月に
短縮され、返済期間中$22,975.92の金利額の節約が可能となります。
■ 上記の一年に一度の$2,000の支払い以外に、モーゲージ額に1日$1
(月に$30)を加算することにより返済期間が更に19年7カ月に短縮
され、30年の返済期間で$50,367.24の金利額の節約が可能となります。
・ブリッジファイナンス(購入物件と売却物件の決算日が合わない場合)
・キャッシュバックモーゲージ(4,5,6%)
・投資不動産用
・新築、増築のファイナンス
・新規住宅建築ファイナンス
・カードローン、その他の高金利ローン支払い向け再融資
・収入証明の難しい自営業者用
・チップ収入主体の人を対象としたもの
・移民の人を対象としたプログラム
・日本からのカナダ投資不動産購入用
・コマーシャル不動産のファイナンス
不動産価値の上昇とベービーブーマー人口の増加に伴い、 昨今ではリバースモーゲージの需要著しく増加しています。リバースモーゲージとは、60歳以上の不動産所持者が、持ち家を担保として毎月一定額の融資を受けることができ、契約期間終了後(利用者が死亡した場合)に担保不動産を処分して融資金を一括返済するという制度です。
一般的なローンを組めない年金生活者が、毎月の生活資金を税金控除対象下で得ることができるという点では、今後一層ニーズが増えるモーゲージプロダクトであると言えるでしょう。
雇用者の手紙(雇用期間、収入、役職の記載されたもの)
・T4、またはT1のタックスリターン
・Notice of Assessment
・頭金を証明するための口座証明
・Social Insurance Number(クレジットレコード調査のため情報秘密厳守)
不動産の購入は、人生において最高額の購入です。各自の将来のファイナンスプラン、人生設計に合ったモーゲージを選択するにあたり、下記の事項を考慮する必要があります。
◆ 返済額(生活レベルに合った返済額の設定)
◆ 返済期間(返済期間を延期することによりキャッシュフローが増える)
◆ 固定金利、変動金利の選択
(Fixed Term VS Open Variable)
◆ 返済オプション(返済オプションを活用し、利子、返済期間を短縮)
各金融機関、プログラムによって、金利、条件、返済オプション、ペナルティー
がそれぞれ異なります。後で誤解等が起こらないよう、質問のリストを作り、
モーゲージスペシャリストと確認することが大切です。
(ハイディ 浜野)